「入浴後に肌がつっぱるぅ~」「カサカサしてかゆ~い(T_T)」「肌を触るとなんだかゴワゴワしている」などの症状に悩まされている人は多いものです。
保湿してもなかなか治らず、乾燥肌体質だったら治らないのかと、カサカサ肌の体質をあきらめている人もいるでしょう。
でもちょっと待って。もしかして病気かもしれません!
まずは肌の構造を簡単に説明しますね(^^♪
1.皮膚の仕組みについてお勉強
そもそも皮膚の仕組みとしては、表皮、真皮、皮下組織の3つの層から成り立っています。

一番表面にあるのが表皮です。表皮は細菌や紫外線などの外部の刺激から肌を守っています。
真皮は皮膚の本体であり、血管やリンパ管、神経や毛根、皮脂腺、汗腺などが集まって皮膚の健康を保っています。コラーゲンとヒアルロン酸などの体が持っている保湿成分によって皮膚のハリを作っています。
最後に皮下組織は、脂肪をたくわえてエネルギーを作り体の温度を一定に保つ働きがあります。
皮膚の役割としては紫外線や病原菌などの侵入を防ぎ、体を守ったり、体温の調節、皮膚の分泌や塩分などの体内物質の排出、体に必要となるものの流出を防ぎ、体内環境を一定に保つこと、皮膚に張り巡らせた神経が外部の情報を脳に伝えることなどがあげられます。
健康な肌には、人間の体が備える天然保湿因子があり、水分を抱え込むことで潤いを保っています。さらに角質層の表面には、汗と皮脂が混ざった皮脂膜があるので、肌から水分が蒸発するのを防いでくれます。
しかし皮膚が乾燥すると、皮膚膜が壊れ、中の水分が蒸発します。角質層の潤いもなくなり、体を守るバリア機能が働かなくなり、外部からの刺激を受けやすくなります。乾燥が進むことで、かゆみを感じたり肌が粉をふいたように白っぽくなることもあり、特に皮脂の分泌量が少ない顔や腕、脚は乾燥しやすい状態になります。
乾燥肌の原因には生活習慣やスキンケアの影響により肌が乾燥する場合もありますが、もう一つは病気が原因であることも考えられます。
特に冬などの特定の季節にカサカサ肌の症状が出るわけではなく、一年中かゆみを伴っている場合には注意が必要です。
2.どんな病気が考えられる?
1.皮脂欠乏性湿疹
皮膚の表面の脂分が減少することで、必要な水分までもが蒸発し、肌がカサカサに乾燥してしまう病気です。手足に症状が現れやすく、特にひざの部分は皮膚がカサカサになり、はがれ落ちたり、赤みやひび割れが発生することもあります。強いかゆみを伴うので、掻き壊して湿疹のようになってしまうこともあります。
2.脂漏性皮膚炎
原因はカビの一種で、きちんと治療を受けなければ慢性化してしまう可能性があります。特に頭や顔などに症状があらわれ、かゆみや炎症も起こります。秋口から症状が出始めることが多く、頭皮のフケが多くなるという特徴があります。Tゾーンや小鼻などニキビができやすい場所に症状が出やすくなります。
3.皮膚掻痒症
この病気の原因はさまざまで、慢性腎不全や肝疾患、通風、糖尿病、甲状腺疾患などがあげられ、これらのほかにも原因と思われる病気がたくさんあります。特に目立った異常がないのに皮膚がかゆい場合には要注意です。皮膚をひっかいてしまい傷ができると、茶褐色に色が変化するという特徴があります。
4.デルマドローム
内臓疾患の時に皮膚が変化する症状です。症状としては関節の角化や、背中に強いかゆみを伴ったり、赤い斑点が現れることもあります。そのほかにも、上のまぶたが紫色にはれたり、筋力が低下してしまう症状も見られます。
5.乾癬
原因は不明で、体質的な問題や、ストレスや食生活などの環境の問題が関係しているといわれています。症状としては皮膚が赤くなって盛り上がり、だんだんとボロボロとはがれ落ちます。この病気にかかった人の半数の人にかゆみが見られ、激しいかゆみを伴うこともあります。
6.シェーグレン症候群
直接な原因は不明ですが、遺伝的要素と環境的要素が強く影響を与えているといわれています。症状としては肌の乾燥だけではなく、唾液や涙などの分泌物の量も減少します。これによりドライアイやドライマウスの症状が現れる特徴があります。この病気になると、口がやけにかわいたり、涙が出にくくなるという自覚症状が現れます。
7.甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌量が低下しておこる病気です。様々な症状があらわれ、その一つに肌がカサカサになる症状が挙げられます。そのほかに記憶力が低下したり、手足のしびれ、むくみなどの症状が現れます。
8.下垂体機能低下症
これは難病の一種で、何らかの原因によって下垂体前葉ホルモンの分泌が不十分な状態になる病気です。肌のかさかさだけでなく筋肉や骨がもろくなったり、生理がこなくなるなどの症状も見られます。
3.年中続くカサカサ肌、一度病院を受信してみよう
皮膚は内臓の鏡とも呼ばれるほど、内臓の変化に伴い、症状があらわれる場所です。
正しいスキンケアや体に良い食事をしていても乾燥肌が改善されない場合は、病気のサインの可能性もあるので、早めに病院を受診しましょう。
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